Home > Interview > 「富永よしえ」さんインタビュー


暖かくなり始めたある日、たい焼きを持って渋谷にある「ファム・マネージメントプロデュース」を訪ねました。(おしゃれな事務所なんです。)

 

今回のゲストは写真集、ファッション写真、CDジャケット撮影などで活躍中の写真家、冨永よしえさんです。
(C)Shima Fukuyama  



福山(以下F):「インタビューするの初めてなので緊張するんですが、まずカメラマンになったきかっけは?」
冨永(以下T):「社会人として食べていくにあたって、自分がなにが出来るかなと思い、10代の頃、親に『何して食べて行くん?』と聞かれ自分に出来るとりえといえばカメラしかないと思ったのがきっかけかな・・・」
F:「いつぐらいから写真を撮っていたんですか?」
T:「12、3才の頃かな?中学生の頃。」
F:「それは家にあったカメラか何かで?」
T:「はい。一眼レフが、ちょーどあったので。それは父さんのやつかと思っとったの。家にあったから・・・じゃなくて、兄貴が万引きしたやつだったんや。(笑)マジでーって感じやったんよ。2・3年前に知って・・・ショックやったわぁ。兄貴としゃべってて・・・」
F:「カメラマンになろうと思ったのはいつぐらい?」
T:「22才の頃かな?それまでは本当にプー太郎だったんですよ。大阪でフリーターして、古着屋でバイトして。バック・パッカーになってたりとかして。目標の無いまま生きとったんやけど、親におこられて・・・。」


(C)Yoshie Tominaga


F:「最近の主な活動としては?」
T:「ミュージシャンのライヴ撮影が多いかな。あとメンズ・ファッションと自分が企画したのを雑誌に持ち込んだりとか。」
F:「前は結構、広告の撮影とかされていましたよね。」
T:「広告って言ってもユニクロぐらいかな?」
F:「撮影する被写体としてミュージシャンが多いですよね?」
T:「はい。」
F:「音楽はロックが好きと伺っていますが。」
T:「うん。昔からロック大好きで。relaxという雑誌でFUJIロックに出演するパティ・スミスという人を撮ったんです。」
F:「写真を撮る時の絵作りでこだわっている事などあれば教えて頂けますか?」
T:「プロセスを作るということかな。例えばレコードジャケットにおいては技術的に求められる事が多いので、あらかじめテスト撮影を入れるとか。ファッションだったらモデルリサーチなど被写体によって自分の作品でアプローチしたり。いきなりその場に行くと肩すかしで終わってしまったりするねんな。マラソンじゃないけど大会前の選手みたいなもん。何にもしなくても、なんで何にもしないかと言う事を考えるかな。」
F:「カメラマンの人は、その場の空気を読み取って自分のものに出来るかどうかで、上がりはそれに掛かっていたりしますよね。」
T:「カメラマンはある意味ハンターで、キャッチせなあかんから。自分のこう撮りたいと思っているその瞬間を。研ぎ澄ましとかなあかんから。」

 

(C)Yoshie Tominaga


F:「今までにインスパイアされた人や場所、物・・何でもいいんですがありますか?」
T:「商業写真の関係で影響を受けた人はスタイリストの北村 道子さんかな。商業写真って共同作業やから、その作業をやって行く上で北村さんは私の心をわし掴みにした人物ですね。写真家としての自分においては、やはりミュージシャンからエネルギーを貰っとるなぁ。」
F:「冨永さんにとって、北村 道子さんってどんな方なんですか?」
T:「映像に対して、ハングリーでストイックで完璧主義者。凄い方です。」
話は変わって・・・
T:「今年にはいってな、写真家になりたいという思いが強く出てきています。商業写真じゃなくて個人的な作品を作りたいと・・・(その時、冨永さんの携帯の呼び出し音が鳴った。)・・・ちょっと、ごめんな。」
(インタビュー、一時休止)
T:「噂をすれば、インスパイアされた方(北村 道子さんから)の電話でした。」
F:「私は北村さんに対して、そういう動物的な本能がとてもするどい方という印象を持っているのですが・・・。」
T:「かなりね。念、入ってますよ。」



F:「冨永さんは以前はプリントを御自分でされていましたよね。今は?」
T:「今は自分では、してないです。でも今年から、やらなと思ってます。私が今持っている引伸し機はラッキーの4×5まで伸ばせる物です。昔は時間あったから、1枚を仕上げるまで納得がいくまでやっていましたよ。やはり自分でプリントをやらんと、例えばプリンターの人にプリントを発注する時なんかも難しいやろ。そのうちに忙しくなってきて時間が無くなってきたんで、今は職人さんと共同作業という形をとっているんです。カラープリントはTCKとEAST WESTでやっています。モノクロプリントは御存知の様に田村(写真)さんとこやけど。」
F:「私は最近、冨永さんのプリントをさせていただいているんですが仕上がりはどうですか?」
T:「コントラストの硬さに物足りなさはあるけど・・・男性・女性の違いもあるし、人と同じ事しても面白くないんで。福山さんのプリントにおいて新しい発見といえば、そうやな?ぬるい感じで冷調のこの前やったやつ・・・あれはかなり成功やなぁ。」
F:「ABA HOUSEのプリントですね。」
T:「そう。あれは男の人には出せんトーンやな、と思ったわ。」
F:「かなり硬いTri-Xのネガから黒が締まらない様に焼いたやつですよね。印画紙は黒も、ちょっとインクっぽいブルーが入った様な色で。今、最近の冨永さんの好みの色かなと思いまして、ILFORDとは違う気のきいた黒のFORTEのポリグレードVC(冷黒調)を使っているんですが。」
T:「かなり好きですね。今は・・・。」

 

(C)Yoshie Tominaga


F:「冨永さんの写真は個人的に好きです。強くて、はかない感じがして・・・プリントしていて楽しいです。」
T:「初めて言われたわ(笑)。」
F:「冨永さんの求めている絵を作りたいと思っているんで、これからもいろいろ、あーだこーだ言って頂きたいですね。」
T:「も少し福山さんの負担が軽ければね、言い易いんやけど(笑)。」
F:「これからチャレンジしたい分野はありますか?」
T:「私写真。プライベートなやつを・・・。商業用と作品、両方やってはる方はいっぱいおるけど私は不器用だから両方は無理。商業写真を、ぱんとやめて、どっぷりそっちに浸かって10年越しくらいの写真集を作りたいなと思ってます。それが出来る状況になるには2年くらいかかるかもしれん・・・まだ求められているうちが花だから。」
F:「スランプに陥った時の対処法は?」
T:「スランプに堕ちる前に、堕ちない様にもっていきます。段階踏んどけば、スランプはないよ。映画観たり、音楽聞いたり人に会ったりする様にいつも心掛けとる。」
F:「素晴らしい!」
T:「福山さんは?」
F:「去年からボディボード始めて、海に行って、スランプというかストレス発散してます。海に入っている何時間かは無の状態になれる。それがとても精神的にリセット出来ているんだと思う。体も動かしているので体調も良くなりましたよ。もともと海育ちなので海に居るだけで落ち着くのはあると思います。」



F:「最近気になる人、物、場所なんでもいいからありますか?」
T:「うーん、水木しげるさんかな。70何歳になっても現役で頑張っていて、凄いバイタリティあるなぁと・・・撮ってみたいわぁと思います。あの世界を描けるって彼くらいしかいないと思う。私もやってること同じだからなぁ。」
F:「最後に自分自身を好きか、嫌いかは?」
T:「愛憎に近いかな。何でこんな私なんやろ、とかな・・・写真撮れるとこは好きかな。福山さんは?」
F:「腹が立つ事はあるけれども、嫌いになった事はないかな・・・好きです。」
T:「そうだよね。自分を愛さなきゃね。」
F:「今日はこんなとこで・・・貴重なお時間頂いて有難うございました。楽しかったです。今後の活躍楽しみにしてます。」
T:「ほんまかいな・・・(笑)。」